日本の新型コロナウイルス感染者数が「世界最多」…それでもマスク着用は続けるべき

日本の新型コロナウイルス感染者数が「世界最多」だというニュースを見て、「やっぱりマスクにもワクチンにも効果が無いんだ!」などと、本気で言う人がいます。

これは間違いで、マスク着用は新型コロナウイルスへの感染リスクを低下させることは、複数の研究から明らかです。

他の国で新規感染者数が少ないのは、

  • 他の多くの国では、多数の死者を出しつつ多くの人が感染して免疫をつけたので感染しにくい。たとえばアメリカでは80%以上がオミクロン株に感染済みと推定され、しばらくは感染が広がりにくい状況となっている。
  • 他国では検査数が減少しており、感染者数が実態より少なく報告されている。

のが大きな要因でしょう。これらについて、忽那賢志先生が以下の記事で詳しく書かれています。

マスクを着けている人が多い日本の新型コロナ感染者数が、世界最多なのはなぜ?(忽那賢志) - エキスパート - Yahoo!ニュース
日本は2週連続で世界最多の新型コロナ新規感染者数を記録しています。これだけマスクを着けている日本で感染者数が増えていることに関連して、マスクの効果に疑問を抱いている方もいるようです。今、日本で新規感染

ならば、日本でもマスクを外して感染を広めれば良い、などと言う人もいますが、それをすれば他国と同様、多数の死者が出てしまいます。アメリカやイギリスでは100万人当たり3000人を超える死亡が報告されているのに対し、日本では約270人。高齢化率が高い日本で、国民がこれらの国と同じように行動すれば、より酷い状況になると思われます。

中には、「老人は遠からず死ぬからいいじゃないか」と言う人もいるようですが、年代が公表されている分だけでも50代以下で約1500人が亡くなっています。非公表も含めれば2000人ほどでしょう。飛行機が何度も墜落するほどの人数です。決して軽いものではありません。

また、後遺症の心配もあります。各国で、多くの人が後遺症により生活・仕事に支障をきたしていると報告されています。「多くは軽症で済む」と言われている0~17歳を対象とした調査では、新型コロナ感染によりさまざまな病気のリスクが上がる、というデータもでてきました。

新型コロナは、確実に死者を増やし、平均寿命を縮め、しかも後遺症についても不透明な部分は多いですが…かといって、自由主義国家である日本においては、中国のような極端な私権制限を伴う感染対策は事実上不可能ですし、やるべきではありません。また、他国との兼ね合いを考えれば、人の出入りを過剰に規制したり、人流を止めたりすることによる政治上、経済上のデメリットも無視できないでしょう。なので、適切なマスクの着用、3密の回避、手指の消毒といった感染対策を、社会への影響を少なく抑えつつ継続する、というのが妥当な落としどころだと思われます。

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