普通のタバコだけではなく、加熱式タバコでも新型コロナで重症化するリスクが高くなる、という日本での研究結果。併用しているとリスクはさらに高くなる。

大阪公立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学の浅井 一久准教授、大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部の田淵 貴大部長補佐らの研究グループによると、火をつけて吸う一般的なタバコだけではなく加熱式のタバコであっても、新型コロナに罹患すると重症化リスクが高くなる、とのこと。

Association of combustible cigarettes and heated tobacco products use with SARS-CoV-2 infection and severe COVID-19 in Japan: a JASTIS 2022 cross-sectional study - Scientific Reports
Insufficient evidence has been accumulated regarding associations of heated tobacco products (HTPs) use with coronavirus infection and severity of coronavirus d...
加熱式たばこユーザーに警鐘  加熱式たばこの使用が新型コロナウイルス感染&病態悪化のハイリスク要因に|大阪公立大学
大阪公立大学の公式Webサイト。2022年4月に大阪市立大学と大阪府立大学が統合し開学した国内最大規模の公立総合大学です。

以下、概要のDeepL翻訳です。

加熱式タバコ製品(HTP)使用とコロナウイルス感染症および現在進行中のパンデミックであるコロナウイルス感染症2019(COVID-19)の重症度との関連については、十分なエビデンスが蓄積されていない。2022年2月に日本の一般人口30,130人(年齢層16~81歳)を対象に実施したインターネット質問票のデータを用いて横断研究を実施した。HTPのシングルユーザーは回答者の5.2%、可燃性タバコとHTPのデュアルユーザーは7.3%であり、感染者の6.7%と38.0%を占めた(n=1117)。デュアルユーザーの感染者の約7割が重症化した.HTPのシングルユーザーおよびデュアルユーザーは,未使用者に比べてコロナウイルスに感染する可能性が高かった(調整オッズ比[aOR]=1.65/4.66;95%信頼区間[CI]1.26-2.15/3.89-5.58).重症度に関しては、元および現在のタバコ使用者(元/可燃タバコ/HTP:aOR = 1.88/3.17/1.90; 95%CI 1.11-3.19/1.77-5.67/1.01-3.59) は、使用しない人に比べて酸素投与が必要であり、デュアルユーザーは酸素投与を最も多く必要とした(aOR = 4.15, 95%CI 2.70-6.36 )。HTPの使用は,コロナウイルス感染症およびCOVID-19の重症化のリスクを高める可能性がある.今回の結果は,COVID-19の流行時にHTPを含むタバコ製品の使用の安全性を検討する機会を提供するものである.

https://www.nature.com/articles/s41598-023-28006-3
  • 燃焼式タバコ(普通に火をつけるタバコ)と加熱式タバコを併用していると、新型コロナウイルスの感染率が非喫煙者に比べて4.66倍と、最も高くなる。
  • 新型コロナウイルス感染時に入院や酸素吸入などが必要となる病態悪化の割合は、燃焼式タバコと加熱式タバコの併用者が最も高くなる。

「喫煙者は、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい」ということはよく言われてきましたが、感染リスクまで高くなるとのこと。しかも、どういうメカニズムなのか分かりませんが、燃焼式タバコと加熱式タバコを併用している人は、感染リスクも重症化リスクも相当高くなるとの結果が出ています。「自宅では普通の紙巻きタバコを吸い、外出先では加熱式を吸っている」という喫煙者は多そうですが、そういう人ほど新型コロナは脅威になるということですね。

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