新型コロナウイルスのNタンパク質と、多発性硬化症(MS)に関連するタンパク質の類似性を、PEPMatchというソフトウェアを用いて予測したところ、著しく重複する部分があった、という研究が発表されています。
以下、要旨のDeepL翻訳です。
新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、世界中で死亡と疾病を引き起こし続けており、ウイルスと宿主の免疫反応を理解する必要性を強調している。SARS-CoV-2の流行当初から、脱髄を含む中枢神経系の病態が顕著に現れており、中枢神経系タンパク質に対するウイルスの擬態が根底にあることが示唆されている。我々は、SARS-CoV-2の免疫優性エピトープが多発性硬化症(MS)に関連するタンパク質と相同性を有していると仮定した。新たに開発したバイオインフォマティクスパッケージであるPEPMatchを用い、公表されているMHC結合能と一致する特定のアミノ酸ミスマッチのパラメータ内でペプチドの類似性を予測したところ、ヌクレオカプシド蛋白質がミエリンのプロテオ脂質蛋白質(PLP)を含む22のMS関連蛋白質と著しい重複を持つことを発見した。さらに計算機による解析の結果、この重複はMS患者のT細胞反応に重要な意味を持つ可能性があり、主要なヒトコロナウイルスの中でもSARS-CoV-2に特有のものである可能性が高いことが示された。この結果は、MSの病態におけるウイルスの分子模倣の仮説を実証するものであり、さらなる実験的探求が必要である。
https://www.nature.com/articles/s41598-022-27348-8
COVID-19 mRNAワクチンの接種により作られるのはSタンパク質で、Nタンパク質は作られません。一方、新型コロナに感染すると、Nタンパク質は細胞内で大量に作られます。コロナワクチンを接種し、感染・重症化を予防することがますます大事だ、と思わせられる研究結果です。
なお、多発性硬化症(MS)は、脳と脊髄、目の神経に問題が起こる「指定難病」です。
新型コロナウイルスへの感染が、多発性硬化症の引き金にならなければいいのですが。
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