製薬会社「興和」が、治験の結果、イベルメクチンを投与しても新型コロナ患者に対する有効性が見られなかったと発表しました。これで、治療薬としての承認申請を断念するとのこと。
イベルメクチン コロナ治療薬の承認申請を断念 有効性見られず | NHK
【NHK】寄生虫が原因で失明などが引き起こされる感染症の特効薬「イベルメクチン」について、新型コロナ患者に投与しても、有効性が見ら…
疥癬などの治療薬として用いられているイベルメクチンは、当初、新型コロナ患者への効果が期待されていました。しかし、その根拠とされていた研究論文が、データ捏造の疑いを指摘され、もう以前から「治療効果が無いことは確定的」といった状況でした。興和の今回の発表は、「今になって、やっと発表されたのか」という感じでしょう。
しかしイベルメクチンは、「反ワクチン」「陰謀論」を信じる人達に人気です。「反コロナワクチン派」の医師などが「新型コロナの患者に投与すると重症化しない」などと、根拠もなくテレビ番組などで発言し、問題となったこともありました。その影響もあって、反ワクチン・陰謀論者には「イベルメクチンは万能薬」「がんにも効く」「医師や製薬会社は、イベルメクチンが広まると儲からなくなるので効果を隠している」などといった、常軌を逸したことを信じている人も少なくありません。
一度「反コロナワクチン」を信じてしまうと、コロナワクチン接種を推奨している99%以上の医師も、政府や自治体も信じられなくなり、むしろ医師とは正反対の陰謀論者の言うことが「正しい」と感じるようになってしまうのでしょう。そんな人の間では、イベルメクチンを個人輸入して飲む、といったことまで行われています。
こうした人たちは、今さら興和が「イベルメクチンは新型コロナに効果なし」と発表しても、「闇の組織による圧力を受けたのだ」などと言って、イベルメクチンを勝手に飲み続けるのではないかと思います。困ったことです。
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