中国、新型コロナのゲノム配列解析を禁止。変異株を隠すためか。春節で中国人観光客が新たな変異株を世界に広げる懸念も。

中国が、解析企業に対して新型コロナのゲノム配列解析を行わないよう通知した、という報道が流れています。

中国、新型コロナのゲノム解析禁止 感染爆発で変異株の情報統制か | 毎日新聞
 新型コロナウイルスの感染爆発が起きている中国で、中国政府が11月下旬、中国内に拠点を置く民間の受託解析企業に対して新型コロナウイルスのゲノム配列の解析を当分の間、行わないよう通知していたことが関係者の証言で明らかになった。中国政府は変異株の動向に関わる情報を厳格に管理することで、中国内で新たな変異

中国内で変異株が発生した場合に、国内外から批判されるのを避けるため、隠そうとしているのでしょう。ひどい話です。

中国では感染爆発が続いており、12月1日から20日までに2億5000万人が新型コロナウイルスに感染したとの内部資料も流出しています。これほど急激に感染者が増えたのは、「ゼロコロナ政策」によって免疫を持つ人が少ないことに加え、中国製ワクチンの接種率が低く、しかもファイザーやモデルナのmRNAワクチンに比べて感染予防効果が低いことが原因でしょう。中国の著名人が相次いで「病死」していたり、火葬場に霊柩車の行列ができていたりといった報道もあり、ひどい状況となっているようです。

火葬場に霊柩車の長い列 中国・天津市で感染急拡大
 中国で新型コロナが急拡大するなか、北京に隣接する天津市の火葬場にも霊柩車(れいきゅうしゃ)の長い行列ができています。 天津にある火葬場の関係者は「通常の範囲を超えていて、市外からの受け入れを断っている状態だ」と話しています。 人口1500万人を超える天津市では、17日の時点で一日の発熱外来の受診者が普段の30倍の3万...

これほどのペースで感染が広がれば、他国とはワクチンが異なることもあり、他地域では見られない新しい変異株が中国から出てくることは十分に考えられます。もし危険な変異株が出現すれば、再びパンデミックとなりかねません。

中国は1月21日~27日が、春節に伴う連休になります。なので、中国政府が禁止しなければ、日本を訪れたいという中国人もいるでしょう。しかし、中国政府が感染者数だけでなく変異株の発生も隠そうといている状況では、絶対に受け入れるべきではありません。リスクが大きすぎます。

(27日追記)「中国からの入国時に検査を義務付け」とのことだが…

日本政府は中国からの入国時に検査キットでの陰性確認を義務付ける方向で調整しているとのこと。

https://www.fnn.jp/articles/-/464579

「検査を義務付ける」ということは「検査すれば入国できる」わけで、効果は限定的でしょう。入国時に抗原検査を義務付けたとしても、偽陰性によるすり抜けは発生するので。もしPCR検査を義務付けたとしても、やはりすり抜けは発生します。もちろん、できるだけ陽性者をブロックして流入する数を減らせば、国内での蔓延を遅らせる効果はあるでしょうけど。

もし、入国時検査を義務付けることで春節の中国人観光客も受け入れるということになれば、中国で危険な変異株が発生した場合、あまり間をおかずに日本でも蔓延するということになりそうです。もちろん、いつまでも中国人観光客を受け入れないというわけにはいかないでしょうが、感染爆発が続く中国で「変異株のゲノム解析を禁止」などということが行われている間は、やはり中国からの観光客を受け入れるのはリスクが大きいように思います。

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