中国政府「新型コロナによる死者 約6万人」と発表。「9億人が感染」しているなら、もっと多いのでは?

中国政府は、先月8日から今月12日までに新型コロナで死亡した人が6万人になった、と発表しました。

中国 新型コロナによる死者 約6万人と発表 先月8日~今月12日 | NHK
【NHK】中国政府は、新型コロナウイルスの感染対策を緩和したあと、先月8日から12日までに新型コロナに感染して死亡した人が6万人近…

これまでは38人と発表していたので、超大幅な増加です。病院は廊下まで患者で溢れる様子や、火葬場に霊柩車が行列を作っている様子が動画で世界中に広がるなど、もう中国にコロナが広まり、多くの死者が出ていることは明白なので、あからさまに死者数を隠すような発表を続けることはできない、という判断があったのでしょうか。

この6万人という死者数、「医療機関で亡くなった人だけ」を数えたもののようで、実際のコロナ死者数は遥かに多いと考えられています。昨年末には、各地の感染率が50~80%に達したとの見方も示されており、最近では北京大学の研究チームが「中国で9億人がコロナ感染」「死亡率0.1%としても90万人が死亡」という研究結果も出しています。

北京大学研究チーム「中国で約9億人がコロナ感染」
 中国の北京大学は、中国国内の新型コロナウイルスの感染者数が累計で約9億人に達したとする研究結果を発表しました。 中国メディアによりますと、北京大学の研究チームは中国での累計の感染者数が今月11日までに約9億人に達したとする推計を発表したということです。これは中国の総人口の64%にあたります。 感染した人の割合は西部甘...

6万人という数は、9億人の0.0066%に過ぎません。他国の状況からして、死亡率がこんなに低いわけはないでしょう。オミクロンで肺炎による重症化は減ったと言われますが、それはmRNAワクチンを接種している国での話です。中国のワクチンで、そこまで肺炎を抑える効果が期待できるとは思えず、しかも接種率は低いとされています。また、中国や日本を除く多くの国では、オミクロンより前にアルファ株・ベータ株・デルタ株などにより、多くのコロナ死者を出してきました。そのため、既にコロナで死にやすい人が相当な割合で死んでしまっている、という状況です。よって、中国での新型コロナによる死亡率は、最近の他の主要国よりも高くなると考えるのが自然でしょう。実際、流行しているのはオミクロン株であるにも関わらず、若者まで「白肺」で死亡している、という話も聞こえてきています。しかし、信用できる死者数が中国から出てくることは期待できず、実態が明確になることはなさそうです。

中国政府としては、多くの死者が出ることは承知の上なのでしょう。「緩和するなら、死者を出ても一気に開放したほうがダメージが少なくなる」という目論見でやっているのだと思われます。人命を重視しないなら合理的ともいえますが、その決断により、中国で新たに厄介な変異株が発生する可能性も出てきます。また、mRNAワクチンを打たずに複数回感染することで、他国より遥かに高い割合で重症化・死亡したり、後遺症に悩まされる人が増えたりする、といった可能性も考えられます。

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