マスク着用義務が解除された学校のほうが、新型コロナ感染率が上がったという調査結果(アメリカ)

2022年2月、アメリカ・マサチューセッツ州では2学区を除きマスク着用義務が解除されました。その結果、マスク着用義務が解除された学区では、解除されていない学区に比べて、生徒と職員の新型コロナ感染率が優位に高くなったと、以下の論文に書かれています(ただし、今のところ未査読)。

Impact of Lifting School Masking Requirements on Incidence of COVID-19 among Staff and Students in Greater-Boston Area School Districts: A Difference-in-Differences Analysis
Background In February 2022, following the rescinding of a Massachusetts statewide school masking mandate, only two cities (Boston and neighboring Chelsea) out ...

以下、概要の結果部分のDeepL翻訳です。

州全体の学校マスキング政策が解除される前、学区間の症例率の軌跡に統計的に有意な差はなかった。しかし、マスキング要件が解除された学区では、要件が解除されていない学区と比較して、生徒と職員の週単位の感染率および累積感染率が有意に高くなった。学校のマスキング要件が解除されたことにより、州全体の学校のマスキング要件が解除されてからの15週間で、生徒および職員1,000人当たりのCOVID-19感染数が44.9(95%CI:32.6、57.1)増加し、この間に学校で観察された全患者のほぼ30%に相当すると推定された。マスキング要件が長く続いた学区では、校舎の老朽化や教室の混雑、低所得者や英語学習者、障害のある生徒の割合が高く、黒人やラテン系の生徒や職員の割合が高い傾向がみられた。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.08.09.22278385v1

未査読ではあるものの、マスクの効果を如実に示す結果が出ているように思われます。

日本において、他の多くの国に比べて新型コロナ既感染率が低いこと、人口当たりの死者も少ないこと(アメリカなどが100万人あたり3000人超に対し日本は300人未満)の理由の一つが、マスク着用率の高さであるという見解を補強する結果でしょう。

参考(随時追加)

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