「イベルメクチンは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効果なし」という研究結果が、また出ています。
以下の研究によると、軽症から中等症の初期のCOVID-19患者に対し、イベルメクチンの最大標的用量 600μg/kgを毎日投与した群と、プラセボ(偽薬)を投与した群で、回復までの時間に差は無かったとのこと。
以下、要旨のDeepL翻訳です。
重要性 軽症から中等症の COVID-19 外来患者において,最大目標投与量 600 μg/kg のイベルメクチンが症状期間の短縮や入院の予防につながるかどうかは不明である。
目的 軽症から中等症の初期の COVID-19 に対し,イベルメクチンの最大標的用量 600 μg/kg,1 日 6 日間の投与で,プラセボと比較して有効性を検討する。
デザイン、設定、参加者 現在実施中のAccelerating COVID-19 Therapeutic Interventions and Vaccines 6(ACTIV-6)プラットフォーム無作為化臨床試験は、軽度から中等度のCOVID-19の外来患者を対象に再利用療法を評価するためにデザインされました。2022年2月16日から2022年7月22日まで、米国内の93施設で、7日以内に急性感染症の症状を2つ以上経験した30歳以上のCOVID-19確定患者1206名が登録され、2022年11月10日までの追跡データが収集されました。
介入 参加者は、最大目標投与量600μg/kgのイベルメクチン(n=602)を毎日投与する群と、プラセボ(n=604)を6日間投与する群に無作為に割り付けられた。
主要アウトカムと測定 主要アウトカムは、持続的回復までの時間であり、少なくとも連続3日間症状がないことと定義した。7つの副次的アウトカムには、28日目までの入院、死亡、緊急・救急医療の利用を複合した。
結果 試験薬またはプラセボを投与された1206人の無作為化参加者のうち、年齢の中央値(IQR)は48(38-58)歳、713人(59.1%)は女性、1008人(83.5%)はSARS-CoV-2ワクチンを少なくとも2回接種したと回答した。持続的な回復までの時間の中央値(IQR)は、イベルメクチン群で11(11-12)日、プラセボ群で11(11-12)日であった。回復までの時間の改善に関するハザード比(有益性の事後確率)は,1.02(95%信頼区間,0.92-1.13;P = 0.68)であった.イベルメクチン投与群では、34人(5.7%)が入院し、死亡し、または緊急医療もしくは救急医療を受診したのに対し、プラセボ投与群では36人(6.0%)が入院した(ハザード比、1.0 [95% 信頼区間、 0.6-1.5];P = 0.53)。イベルメクチン群では、1人が死亡し、4人が入院した(0.8%)。プラセボ群では、2人が入院し(0.3%)、死亡者はいなかった。有害事象は両群ともまれであった。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2801827
イベルメクチンはこれまで、低用量の投与で回復までの期間に有意差無し、という結果が出ていましたが、高容量でもやはり有意差無しとなりました。なお、日本においては医薬品メーカーの興和が臨床試験を行っていましたが、昨年9月に「有効性を見いだせなかった」ということで、新型コロナ治療薬としての承認申請を断念しています。
しかし、陰謀論・反医療・反ワクチンを信じる人達の間では「イベルメクチンは新型コロナどころか、”がん”を含むあらゆる病気を治す奇跡の薬」「イベルメクチンの効果が否定されているのは、もっと高い薬を売りたい製薬会社の陰謀」といった、正気とは思えない話が信じられています。このような、「イベルメクチン信仰」の人たちは、どういう研究結果が出てもイベルメクチンを個人輸入するなどして飲み続けそうです。
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