私は、「ニセ科学」を憎んでいます。
ニセ科学を信じた人が陥る「陰謀論」も、同じく憎んでいます。
その理由は、家族の1人がニセ科学・ニセ医療ばかり信じるようになり、10年以上に渡り苦しめられてきたからです(身バレ防止のため続柄は伏せます)。
その家族は、元々が「占い」「開運」「除霊」「無農薬・自然派食品」といった、「根拠無しに効能を断言してくれるもの」が好きな傾向にありました。
そうした傾向が、「マイナスイオン」や「水からの伝言」といった「ニセ科学」増えてきたあたりからエスカレートし、数多くのニセ科学・ニセ医療・インチキ健康法を信じるようになってしまいました。
そして「ニセ科学的なもの」を見つけては「これこそ真実だ」と信じる状態になってしまい、長年に渡り次々と手を出していく、ということを繰り返しています。
以下に、私の家族がハマってきたニセ科学・ニセ医療・インチキ健康法、およびその関連商品で、思い出せるものを列挙してみます。
マイナスイオン・水からの伝言・波動測定器・波動水・EM菌・ホメオパシー・経皮毒・ワクチン有害説・抗がん剤有害説・薬忌避(漢方薬は好き)・農薬忌避・添加物忌避・電子レンジ忌避・電磁波過敏症・化学物質過敏症(自称)・白砂糖有害説・小麦有害説・牛乳有害説・水道水有害説・洗濯洗剤有害説・遅延型IgGフードアレルギー検査・コンビニ食忌避・ファストフード忌避・万能酵母液・温泉水・珪素水・スワイショウ・メタトロン・バイオレゾナンス・数霊セラピー・空間エネルギー浄化装置ソマヴェティック・遠隔ヒーリング・飲尿療法・クスリ絵・バクチャー・キャベツ枕・5G有害説・地球外知的生命体バシャール・新型コロナワクチンにマイクロチップ
これでも、全部ではありません。
私の家族は、こうした「トンデモ」に多くの時間と金を費やしてきました。
「自然派系トンデモ」を信じた人は同じでしょうが、もちろん電子レンジは使わず、無農薬・無添加の食材で作った食事をしています。
食器洗いはお湯のみ。シャンプーは使わず、石けんすら最低限しか使いません。
それで体調が良いかというと、思わしくない状態が続いています。しかも、自身が「電磁波過敏症」「化学物質過敏症」だと信じ込んでいるので、人の多い繁華街には近づこうともしない状態です。
私の家族はさらに、PCに接続した「波動調整装置」を頭に装着する、「美しい水の結晶画像が表示される波動マシン」に願い事を書いた紙を載せて念じる、そうしたマシンで「波動水」なるものを作って飲む、「電磁波の害」を防ぐために冷蔵庫のコンセントを就寝前に抜く、「5G電磁波ブロッカー」を貼り付けたビニール傘を天井から吊るして「結界」を作る、といったことまで行ってきました。
ここまで「トンデモ」に洗脳されると、なんでもニセ科学・陰謀論に結びつけて理解するようになって、まともに対話すらできません。家族としては本当に心が削られます。
こうした世間の常識に反する「トンデモ」を信じるようになると、「自分は『真実』に気づいている」という意識に支配され、傲慢になります。
「それはニセ科学はないか」と少しでも疑問を投げかけると、怒り狂うか、逆にこちらを「真実に気づいていない」として馬鹿にしてきます。
こうなれば、家族にはどうしようもありません。
カルト宗教を信じた人と同じ精神状態なのだと思われます。
しかし、他の家族との兼ね合いもあり、その家族を切り捨てることもできず、長年に渡り悩まされいたところに「新型コロナ」があらわれました。
私の家族は、やはり「新型コロナウイルスは存在しない」「マイクロチップ入りのワクチンを打たせるための茶番」などといった陰謀論を信じてしまいました。
私の家族は以前から「手遅れの陰謀論者」だったのでしょうがないですが…やりきれないのは、コロナ禍の影響で私の家族と同じような「ニセ科学・陰謀論信奉者」が急増したことです。
そのせいで、私と同じように「ニセ科学・陰謀論を信じる家族の存在」に苦しむ人が増えてしまいました。
長年にわたり、数多くの「ニセ科学」について調べてきた経験から何かできることはないかと考えて始めたのが、ニセ科学・陰謀論に基づく「コロナデマ」をTwitterで紹介することです。
フォロワーが増えてからは、陰謀論者となった家族に苦しむ人のツイートをリツイートする、といったことも行ってきました。
陰謀論に洗脳された人を元に戻すのは難しいですが、同じ苦しみを抱える人同士がつながれば、少しは気持ちが楽になるかもしれないと思ったからです。
ニセ科学・陰謀論は、信じた人やその家族の健康を危険に晒します。
たとえば、私の家族のように「ホメオパシー」などを信じると「西洋医学」を否定するようになります。そうなると、家族・親族にも病院に行かないよう勧めてきたり、処方薬を捨てるように言ってきたりするようになります。
ワクチンも否定するようになり、子供にもワクチンを打たないようになります。
こうした人が増えれば、健康を害する人が増え、死者も増えてしまいます。
なので、ニセ科学・陰謀論を広めることは、殺人に等しい行為です。
「陰謀論者の家族」にとって辛いのは、家族が「人命を奪いかねない異常な思想」を信じてしまったという事実に加え、その家族が豹変してしまい、まともな対話ができなくなることです。
陰謀論を信じた人は、完全に認知が歪んでしまいます。
前述の通り、「自分は『真理』に気づいている」というカルト信者的な意識から、極めて傲慢な態度をとるようにもなります。
家族の言うことばかりか、ニュースで報道されていること、政府や自治体から発表されていることも、すべて陰謀論に結びつけるようになります。
親が陰謀論者となれば、子供の頃に大切に育ててくれた思い出も、すべて台無しになってしまいます。
配偶者が陰謀論者となれば、かつて結婚を決めるほど愛していた記憶も、忌まわしいものとなってしまいます。子供がいれば、その子供の人生に与える影響は計り知れません。
ニセ科学・陰謀論は、家族関係・人間関係を破壊し、人の人生を台無しにします。
本当に、ニセ科学や陰謀論には悪い面しかありません。カルト宗教などと並んで、人生を破壊する最大のリスクです。SNSに加え、自然な文章を生成するAIの登場により、このリスクはさらに大きくなっています。
多くの人、とくに子供たちの人生が、このような下らないものに潰されてしまうかと思うと、やりきれない思いしかありません。
人から命と健康を奪うだけでなく、人間関係も破壊するニセ科学や陰謀論は、社会から根絶すべきだと以前から強く思っていました。
しかし現実は逆で、コロナ禍により私の家族はさらに陰謀論に深くはまり込むようになりましたし、新たにニセ科学・陰謀論を信じる人は増え続けています。
私にとって、この状況は耐えがたいものです。
毎日、どうしてもニセ科学・陰謀論を広める人物・団体への憎しみが募るばかりです。
コロナ禍で、同様の思いを抱くようになった人は少なくないのではないでしょうか。
最近では、ニセ科学・陰謀論への憎しみが頭を占め続け、他に生産的なことをする気も起きなくなってしまいました。
なので、どんなリスクを背負ってでも、あらゆるニセ科学・陰謀論への批判を続け、それをライフワークとしたいと考えています。
思いつく限りのことをして自分を納得させるためという意味合いが強いですが、それがニセ科学・陰謀論で苦しむ人を1人でも減らすことにつながれば幸いです。
今後はTwitterに加え、このブログも使って、ニセ科学・陰謀論の危険性を訴えていくつもりです。
次回は、「ニセ科学・陰謀論批判が広まらない理由」について書きたいと思います。
私と同じように、「トンデモ」にハマった家族に苦しめられている方、その他、何かご意見のある方は、本ページへのコメント・Twitterへのリプを書いて頂けると嬉しいです。
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